【第4回】扶養内で起業ってできる?子育てママのための社会保険と開業の話

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はじめまして。子育てしながら開業を叶えたママ行政書士・社労士のえまです。
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「扶養内で開業って、あり?」というよくある悩み

「開業して働きたい。でも扶養から外れたくない…」
「そもそも“扶養内”ってどこまでOKなの?」

こういった疑問、実は子育てママからとてもよく聞かれます。
そして、私自身もまさに「お金は欲しいけど、扶養の壁も気になる…」と悩みながら起業を決めたひとりです。

この記事では、扶養内で開業するために押さえておくべき社会保険と税金のポイントを、社労士の視点からわかりやすく解説します。

【1】そもそも「扶養」ってどういう制度?

📌 扶養は大きく分けて2種類あります

扶養の種類担当ポイント
税法上の扶養税務署(所得税)配偶者控除・配偶者特別控除の対象になるかどうか
社会保険上の扶養健康保険組合や協会けんぽ健康保険にタダで入れるかどうか(+年金負担)

開業する場合、両方の扶養に影響する可能性があるため、両方セットで考える必要があります。


【2】扶養を外れないための「金額の壁」を知ろう

💴 税法上の扶養(配偶者控除)

年収扶養扱い備考
〜103万円配偶者控除あり所得税がゼロになる場合も
103万〜201万円配偶者特別控除あり収入が増えると段階的に控除が減少
201万円〜扶養対象外配偶者控除・特別控除なし

🏥 社会保険の扶養

年収の目安状況
130万円未満(※)扶養内でOK(健康保険&年金も無料)
130万円以上扶養外。自分で健康保険&年金に加入が必要

※正確には「年間収入130万円未満」かつ「被保険者(=夫)の収入の1/2未満」であること


【3】開業での「年収」はどう計算するの?

これ、意外と知られていませんが——

開業している場合は、「売上」ではなく「所得(=売上 − 経費)」で判断されます。

たとえば:

  • 売上:150万円
  • 経費:30万円
  • 所得(=150−30):120万円 → 扶養内

なので、扶養内でいたい人は「経費をしっかり計上すること」がとても大事です。


【4】扶養を抜けたらどうなる?損なの?

たしかに、扶養を抜けると以下の負担が発生します:

  • 健康保険料の自己負担(自治体によっては年20万円前後〜)
  • 国民年金の自己負担(月16,000円ほど)

でも、これはあくまで「損」とは限りません。
なぜなら、扶養を外れて自由に稼げるようになると、年収が一気に増えることもあるからです。

また、国民年金に加入すると「将来の年金額」も増えますし、出産手当金や育児休業給付金を受ける権利も自分で持てるようになるというメリットも。

自分の負担が増えるのは辛いけど、自分だけの社会保障も受けられるよ。

【5】ママ起業なら「扶養内」でも「扶養外」でも選べる

私自身、最初は「扶養内でやろう」と思っていました。
でも実際は、ありがたいことにお仕事をたくさんいただけるようになって、途中から扶養を外れてフリーでやっていく道を選びました。

正直、「失敗しても食いっぱぐれない」という安心感(=旦那がいる)があるからこそ、思い切れた部分もあります。

だから私は、最初にこう伝えたいです。

「最初は扶養内で全然OK。やってみてから考えればいい。」

開業届を出したからといって、いきなり年収が跳ね上がるわけじゃないし、まずは「自分にできること」を少しずつ形にするだけでも十分なんです。

現実は開業すぐはそこまで仕事ないから、まずは集客とか人脈づくりに集中しよう

最後に:扶養は「縛り」じゃなくて「選択肢」

扶養という制度は、「損か得か」だけでなく、その時々のライフスタイルに合わせて柔軟に使うものです。

  • 子どもが小さいうちは扶養内で安心して開業
  • 徐々に仕事が軌道に乗ったら扶養を外れて拡大
  • 必要ならまた扶養に戻ることもできる

こうして、“わたし時間”を活かした働き方を調整できるのが、ママ起業の最大の強みだと私は思います。

あなたも、制度を正しく知って、自由に選べる自分になりましょう!

最後までお読みいただきありがとうございます。
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