
マンション購入を現実的に考え始めた時、もっとも不安だったのが「私のような立場で住宅ローンが組めるのか?」ということでした。
私は自営業で、しかも配偶者とは家庭内別居状態。
所得面も「いかにも自営業者らしく」工夫しているので、書類上は決して高収入とは言えない(笑)。
開業した当時は、「家事や育児の傍ら、自分のお小遣いが稼げればいいや!」って思っていたのが、いまやこんな風にマンションを購入すると考えるなんて予想もしていなかったし、開業したての自分からしたら夢みたいな話です。
だって出産した時は専業主婦だったし。
そんな私が実際にモデルルームに行き、営業担当さんとやりとりする中で受けた質問、さらされたリアルな審査の壁について、詳しくまとめてみたいと思います。

やっぱりお金はシビアな問題なのです…(当たり前だけど)
「配偶者とはなぜ一緒に住まないのですか?」という質問
まず、モデルルームの営業さんに聞かれたのが、「旦那さんとは一緒に住まないんですか?」という問い。
これはおそらく、住宅ローンの共同名義や収入合算を前提とした確認だと思います。
でも私としては、配偶者とはすでに家庭内別居状態。
会話もほとんどなく、お世辞でも子育てにも積極的とは言えない。
むしろ娘と2人で暮らしたほうが自分が精神的に安定することが明白だった(娘もパパと一緒に暮らさなくてもいいやという)ので、完全に別で住む予定でした。
その旨を説明すると、営業さんは納得した様子で、「銀行さんに説明する際には“家庭の事情”という言い回しで整理しましょう」とアドバイスしてくれました。
といっても、夫婦不仲の別居とストレートに銀行さんに伝えるのはあまり得策とは言えない(銀行的にいい顔しない)から、子供の進学を機に駅から近い場所への転居と作文します。
とのことでした。

なるほど。世の中的には不仲の別居はあまりいい顔されないとのこと…
所得が低く見える確定申告の内容が恥ずかしい
私の確定申告書を営業さんに提出したとき、正直かなり恥ずかしい気持ちでした。
というのも、昨年まではマンションを買うことなど全く想定しておらず、少しでも課税所得を減らすために経費をできる限り計上していました。
「これでもか」ってくらいいろいろなものを計上します。
あまり公には言えないです…w
さらに、売上が大きくなってきたタイミングで法人を立ち上げ、一部の売上を法人名義に切り替えた結果、個人の申告書上の所得額はかなり抑えられている状態でした。
これは子供の医療費、住民税・所得税の軽減など、日々の家計を守るための工夫だったのですが、住宅ローンの審査という場面になると、この“節税努力”が足かせになるのでは?という不安が募りました。
営業さんも書類を見てすぐに、「なるほど…ご事情はよく分かりました」と言ってくださいましたが、銀行サイドにどう説明するかが鍵になるようでした。
まず「今年の売上はどれくらい行かせるか」をヒアリングされます。
私「も、もちろん売上1000万乗せたいなって思ってます…(震え声)」
営業「では所得としては7~800万くらいになると考えていいですか?」
私「そうねすね。それくらいは…」
営業「でしたらそのように銀行さんに伝えてみます」
プレッシャー半端ない(笑)
いや、頑張りますよ。

今後は稼いでこないということは許されなくなったのですw
まずは地銀→次にネット銀行?段階的なローン戦略
営業さんから提案されたのは、「まずは地銀で住宅ローンを通しておいて、来年の確定申告で所得をしっかり出したうえで、金利の低いネット銀行に切り替える」という2段構えの戦略でした。
幸いにも、今回のマンションは引き渡しが1年以上先。
そのため、今年の売上をもとに来年3月に提出する確定申告の数字でもローン審査に使えるとのこと。
こちらとしても、それまでに売上を上げる時間が確保できるという点で非常にありがたい話でした。
ネット銀行はAIが審査することも多く、「この人が落ちるの?」「この人が通るの?」と読めないケースが多いそうです。
実際、ネット銀行に勤めていた経験のある友人も「開業医でも、開業間もないと普通に落とされる」と話していました。
AI審査は個別の事情に配慮しないため、ある意味では“人間よりも冷たい”一面があるとのこと。
ただ、その友人から「開業8年目のあなたなら大丈夫だと思うよ」と背中を押してもらえたのも心強かったです。
であれば、今やるべきことは明確。
しっかり稼いで、確定申告で胸を張れる数字を出すこと。それが夢のマイホームへの第一歩だと感じました。

常に売上との闘いになる人生が始まる…
健康状態も重要な審査項目

意外と見落としがちなのが「健康状態」。
住宅ローンは通常、団体信用生命保険(団信)への加入が前提条件になります。
そのため、過去の入院歴や現在の持病など、健康状態についても細かく確認されます。
私の場合は、特段大きな病歴もなく、現在も通院等はしていなかったため、ここは問題なくクリアできそうでしたが、「もしも健康上の理由で団信に加入できないと、ローン自体が通らない可能性もある」という事実には、改めて緊張感を覚えました。
他の借り入れがないかもチェックされる
当然ながら、住宅ローン以外に借入がないかも厳しく確認されます。
クレジットカードのキャッシングや、車のローン、奨学金の残債など、すべて申告が必要です。
私の場合は、車も現金一括で購入していたし、クレジットカードもすべて一括払いなので、借入という点では問題はなし。
その点は安心です。

この住宅ローンが人生初の大きな借金だな。
「コピーをとらせていただきますね」にドキリ
確定申告書の提出時、「コピーをとってもいいですか?」と営業さんに聞かれました。
もちろん提出用に持ってきたので問題はなかったのですが、やはり見られるとなんとなく恥ずかしい。
どれだけの経費を計上しているか、経営のクセみたいなものが書類に表れるので、ある意味では自分の「素」が見られているような気がして、ちょっと居心地の悪い時間でもありました。
銀行さんに見せるんでしょうけど、なんて言われているんだろう…(笑)
銀行への“作文”は「子供の進学による引っ越し」

営業さんから、「銀行には“お子さんの進学に伴う引っ越し”として説明するのが一番すっきりしますね」と提案されました。
実際それは事実でもありました。
娘は現在小学校高学年で、私立中学の進学も視野に入れているため、より駅近・治安の良いエリアに移り住みたいという希望がありました。
家庭の事情を深掘りされるよりも、教育を理由にした方が受け入れられやすいとのことで、営業さんが銀行への説明資料を作成する際にはそのように記載してくれるとのことでした。
【余談】所得が低いことが逆にメリットに?婚姻費用の観点から
最後に、少し脱線気味ですが、確定申告書上の所得が低いということは、実はもうひとつ別の場面でメリットになるかもしれないという話。
現在、配偶者との関係は冷え切っていて、もし今後婚姻費用や養育費などを請求することになった場合、「私はこの程度の収入しかない」と主張できることで、より相手側に多めの負担を求められる可能性があるのです。
あくまで法的な話なので確定ではありませんが、自分の経済状況を“控えめに見せておく”ことの意味では、ローンを組む際には困るのですが、悪いことばかりではないのですよね。

知識はたくさんあった方が有利になると思う。
まとめ:不安は尽きないけど、現実は向き合うほどに見えてくる
住宅ローンを組むということは、自分の人生を数字で評価される場に立つようなもの。
自営業、事実上のシングルマザー、節税主義者…そんな私が不安を感じるのも当然でした。
でも、営業さんは思った以上に親身になってくれるし、きちんと説明すれば状況を理解してくれることも多いです。
最初は「無理かもしれない」と思っていたけれど、「じゃあどうすればいいか」を一緒に考えてくれる人がいることで、現実的な道筋が見え始めました。
今の私にできることはただひとつ、「しっかり稼ぐこと」。
そして来年の確定申告で「これならいけますね!」と言ってもらえるよう、覚悟を決めて走るのみです。